500の点火システムはノーマルディストリビューターのままから、同時点火、セミトラ、フルトラ、ポイントレスキット、123イグニッションなど、様々にあろうかと思いますが、皆さんの500はどの様になっているでしょうか。
MEX号の点火システムは、購入時にはシンプルな同時点火に変更されていて、コンタクトポイントのメンテナンスさえ怠らなければ早々不具合も起きず、極めて楽チンだと思っています。
しかし世の中には先に書いた様なセミトラやフルトラなどの高価な装置もあり、電子制御で点火パワーもあって何かと良いらしいとも聞きます。
それらに興味が無いワケでもないのですが、仕事の出先で点火系がトラブった場合…
1)疑うべき部品が増える。
2)セミトラやフルトラなどの電子制御はブラックボックスなので、何かあったら手がつけられない。
3)セミトラやフルトラが故障の場合、出先で元の同時点火仕様に戻す作業が手間。
4)つまり手慣れたポイント式点火であれば、出先で何かあっても私の技量で復旧が容易。
などの理由で手を出していませんでした。
また昨今、その手の装置が廃盤になりつつあるのも理由の1つです。
そんなおり、”国産ヘッドライト組み込みキット”でお世話になったPiccolo S.p.AのKさんから、
「セミトラ作ったので試してみませんか?」
という、魅惑のメッセージが着弾!ww
「天才Kさんが試作を繰り返して出来上がったモノなら間違い無し。」
であろうものの、先の
「万が一セミトラが故障した場合、出先で元の同時点火に戻す作業が手間という問題だけなんとかなるでしょうか…」
と相談したところ、なんと!同時点火・セミトラ切り替えスイッチを仕込んで送ってくださいました。
スゲー!ww
これは嬉しい!
ということで取り付けてみましたよ、な今回は
MOS FET セミトラ
by Piccolo S.p.Aさん
でございます。
届いたセミトラがこちら。
その名も
『MOS FET セミトラ』
です。
ふっふっふ、
同時点火切り替えスイッチ付き
なのですよ^^。
*Piccolo S.p.A Kさんによる解説。
□同時点火・セミトラ
切り替えスイッチ付きの場合
スイッチは左側でOn。
緑色のLEDがポイント動作に連動。
ポイント閉の時に点灯。
右側でOff(ノーマル)。
ノーマルモードでは
LEDは点灯/点滅しません。
ここで、ネットで調べたセミトラとMOS FETの超概略をば。
まぁセミトラはほとんどの皆さんがご存知かと思いますが…^^;;
□セミトラの概要
セミトラ:コンタクトポイントに小さな電流を流して点火信号を取り、トランジスターがポイントの代わりにスイッチングを行うことで、点火アークによるポイントの荒れ・焼損によるミスファイアを防ぎ、確実で強い点火スパークが得られる。
うん、要はメンテナンスを省力化できて、強い点火スパークが得られるということですね。
ただデメリットとして耳にするのは、コンタクトポイントの電流が小さいため、たまにポイントを磨かないと曇ってしまうことがあるとか…。
□パワーMOS FETの概要
MOS FET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor(金属酸化皮膜半導体電界効果トランジスタ)の略。
高電圧・高電流を扱う電気回路のパワー素子で、トランジスタに比べてスイッチング速度が高く、低圧領域でのオン抵抗が低い。
↓
パワーMOS FETの特徴
制御:電圧制御
駆動電力:小
スイッチング速度:高速
耐圧:30V~800V程度
大電流化:容易
ほほう…MOS FETってそういうモノなのね。
と言いつつ、電子系にうといMEXには概略程度しか理解できませんでしたが^^;;。
では、Piccolo S.p.AのKさんがこのMOS FET セミトラを制作した理由はというと…
*Piccolo S.p.A Kさんによる解説。
↓
□MOS FET セミトラ
ポイントの電力を無駄に使いたくなかった為に制作(節電効果)。
普通のセミトラはポイント保護の為に電流を絞っているけれど、このセミトラは普通のセミトラの倍以上となる100mAh程度の電流を流す設計。
そうは言ってもノーマルの1/10以下の電流であり、基本は『ポイントの煤払い不要』仕様。
ポイントはギリギリ火花の出ない範囲。
なお、今回の仕様から半導体は230v/80A(容量的には必要充分) パワーMOS FETを使用し、On 抵抗は0.065Ωとなり、アバランシェも比較的高く570mJもあります。
*普段からきちんと点火系の確認をされている方なら、ノーマルとセミトラでのエンジンのフィールは殆ど変わらないと思います。
とのことなので、簡単に言うと、
『点火を強く確実にしつつ、普通のセミトラ以上にポイントが長持ちするセミトラ。』
なのですね。
素晴らしいじゃないですか^^。
更に嬉しいことに
取り付けにおいては超簡単シンプル配線!
しかも私のコイルでは
端子交換さえ不要にできているので、
元の配線に単純に割り込ませるだけ。
*Piccolo S.p.A Kさんによる解説。
□配線
黒→ボディアース
赤→プラス(コイルのプラス側と共用可)
緑→ポイント信号線
白→コイルマイナス端子
に接続してください。
おおー、素晴らしい〜!
これなら悩まずできそうだ。
では取付開始!
と始めたものの
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MEX号のコイルはファン側の奥。
ダイナモ式のであれば
本来はレギュレーターがある位置に
変更しているため、
狭いスペースに
どう付けてくれようかと
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手持ちの金物類をあれこれあてがい、
悩むこと1時間ww。
狭い所にナットを入れ辛かったり、
セミトラを取り付けて配線しようと思ったら
コイルのプラス側に
端子台を付け忘れていて
またバラしたりで、
さらに時間を食いつつ仮付け完了。
コンタクトポイントの粗れも
長期観察すべく、
ポイントを新品に交換し
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いつもの様に点火時期も調整したら
一旦出来上がり。
片付けをして試走へ。
が!
取り付けた金具がヤワ過ぎたため、
MOS FET セミトラが
猛烈にプルプルしてしまい、
まるで拷問っぽいので
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分厚い頑丈な金具に交換して
今度こそ完了です。
MOS FET セミトラの作動状況は
こちらの動画で。
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エンジンをかけたまま
スイッチングできるし、
万が一セミトラが壊れても
同時点火への切り替えは超簡単だし、
同時点火時にコンデサーがパンクしても
セミトラに切り替えれば
ポイントは信号にしか使わないから
コンデンサー不要で走れそうだしで…
うん、
これは安心感倍増ではないですか^^。
さて、MOS FET セミトラのレビューにあたり、プラシーボ効果を避けるために路肩でスイッチを切り替えたりしながら(それで避けられるのか?笑)、今日まで130kmほど走ったレビューは…
□アイドリング中にスイッチを切り替えても特に変化は感じません。
□走行中は同時点火もMOS FET セミトラも回転は安定していますが、MOS FET セミトラの方が回転と吹け上がりが若干滑らかな感じがしています。
□30kmくらい走っても、本体を素手で触れる程度の熱さにしかならない。
□MOS FET セミトラを使用中のアイドリング時には、電圧計の表示が少し上がっていますので、節電効果もちゃんと確認できました。
長期レビューはこれからですが、今のところ良いことしかない気がします^^。
ということで、試用期間を経て買取りさせていただきました。
□価格と発注方法
市販のセミトラが廃盤になるご時世なので、欲しい人には販売していただけるそうです。
ブログ内のPiccolo S.p.Aさんによる解説を理解した上で
「欲しい!」
と思った方は、以下の何れかの方法でPiccolo S.p.Aさんと連絡を取ってください。
(MEXのブログを見たとお伝えしていただいて構いません。)
*私が『良い』と思ったので勝手に宣伝しており、企業案件ではありませんw。
*ブログ掲載内容は、Piccolo S.p.Aさんの許可を得ています。
1)価格
□スイッチなし:予価¥8,500
□スイッチ・インジケーター付き:予価¥12,000
*スイッチ・インジケーター付きが高価になってしまうのは、筐体スペースの都合による手間が大きいためとのことです。
*昨今の半導体価格高騰などにより変更の可能性があるので、都度、Piccolo S.p.Aさんにお問い合わせください。
*MOS FET セミトラ本体については私ではお答えできませんので、Piccolo S.p.Aさんにお問い合わせください。
2)発注・お問い合わせ方法
Piccolo S.p.AさんのWEBサイトにアクセス。
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ABOUT USのページをクリックすると連絡用メールアドレスがありますので、そこからお問い合わせを。
*PRODUCTSのページにこのMOS FET セミトラは掲載されていませんが大丈夫だそうです。
*もしくはFacebookの『旧式FIAT 500乗車倶楽部』から、投稿を探して直接お問い合わせください。
過去の国産ヘッドライト組み込みキットのレビューはこちら。
光軸バッチリ、明るさバッチリ、違和感無し!でお気に入りです。
もちろんトラブルはありません。
*同じく企業案件ではありませんよw。
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